はっけん!した演出について

 はじめましての方ははじめまして、リユルン(@riyulun)と申します

 

 わたくし、アイカツ!シリーズやリコロイから多くの演出を学んで感動しているのですが、今回は これらについて お話していければと感じます

 

 [注意]名称のほとんどは自作です

 

  • 目次

・「説明」

・表情隠し演出

・握りこぶし

・あめ、にじ

・「風」

・セリフ逆転

・どんでん返し(敵味方の逆転)

・ご想像にお任せします演出

・トロバ演出

・ポケマスムーブ(共通項見出しムーブ)

・ジャンプ展開

・ジェットコースター演出

・みらいよち演出

・逆みらいよち演出

・イエロー演出

・最終回演出

・キョダイダンエン演出

・秘密の手紙演出

月と太陽演出

・オリーヴァ演出

・走馬灯演出

・初手ダイマ演出

 

  • 「説明」
 伏線も ある種この枠に入る

 「説明」というのは他の人も使っている語のような気もしますが説明しておきます。

 

 「説明」というのは 後々に魅せる要素の内、そのシーンの登場人物の性格や性質を予め説明しておく演出のこと。

 アニポケなら ポケモン図鑑の記述などですね。

 

 大人なら学んでいる人も多いですが、幼い子の場合 知らない子もいるでしょうから序盤に その生態を使った 何てコトないシーンを混ぜたりするんですよね

 

  • 表情隠し演出

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 ↑こういうの

 表情を 視聴者の死角に映したり、帽子のつばの影で隠したりする演出。

 これを使う目的として

  1. カメラに映し辛いような表情をしている
  2. 直後の(覚悟を決めたり 笑顔を作ったりな)表情を目立たせる

 この辺りが挙げられますね。

 2.の範疇でしょうが、他のアニメの場合だと闇堕ちの際にこの演出が使われることも もしかしたら あるかもしれません

 

  • 握りこぶし

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 力強く自分の手を握ることで「負けたくない…!」とか「悔しい…!」って気持ちの表現になりますね。特に負けず嫌いな人に似合います

 

 スグリモンスターボールを握る手が力強かったのも この要素ですね

 

  • あめ、にじ

  あめ の日って、低気圧によって 何だか肉体的にも精神的にも力が出ませんよね。

 

 そんなわけで、登場人物の心境や先行きが暗くなってきたことを表現するのに あめ というシチュエーションは うってつけなんです。

 基本は外に出られないので、大きく体を動かして はしゃげないことも その状況に ひと役買ってます

 

 そして そんな暗い状況が吹っ切れた時には  はれ、さらには にじ が展開され、晴れやかな気分を演出できます

 

 そんな 天気描写ですが、あめうけざら や うるおいボディの特性を持つポケモンだっていますよね。

 上記は あくまで人間基準の話です

 

 なので、そんなポケモンを主軸にした話が展開される時は あめ が逆に明るくなってきたことの証左であることも覚えておきましょう

 

 また、リコロイ第12話「わたしが選ぶ未来」では森を再生するために ヌオーが あまごい をしていましたよね
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 ポケモンだけでなく自然の再生にも あめ は明るいシチュエーションの表現たり得るのです

 

  • 「風」

 何かしらの決意をしたり、ストーリーが大きく進んで新たなスタートを迎える展開になった時に おあつらえ向きに風が吹くことってありますよね?

 

 例えば リコロイだと昨年最後の話「それぞれの旅立ち」の最後のシーンだったり
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 第16話「クワッスとなら、できるよ」のスピネルとの対決シーンにてリコ達をカッコよく演出してくれました
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 風って空気の動きなので、[(ストーリーで)何かが動いた]ということを表現する演出として適当なんですよ

 

 そして そんな「風」を表現するために 服をたなびかせたりします

 

  • セリフ逆転

 (アイカツ!の話になっちゃうので分からない人は分からない例になりますが ご了承を)

 アイカツフレンズ!第1話[ハロー フレンズ!]にて 湊みおちゃんが友希あいねちゃんが「行こう…一緒に! あいね!」と言うシーンがありました

 

 そして時は進み、第31話「伝説の101番勝負!」の時点では2人のユニットのストーリーがクライマックスを迎えるのですが、

 今度は逆に あいねちゃんが みおちゃんに「行こう…一緒に! みお!」と言うのです

 

 このように、かつてのセリフを言う側と言われる側を逆転させる演出もあるのですよ

 

 ただ この演出にはリスクがあるのです。

 というのも視聴者が該当のシチュエーションを覚えている前提なんですよね

 なので ドわすれしていたら そのエモさを感じられません。

 

 それを防ぐために 明らかに目立ったシーンをチョイスしたり、

 該当のシーンの回想を入れたり、

 後にセリフ逆転演出を使うシーンは 予め強く目立たせたり 独特な言い回しをしたり、

 各回の 例えばOP前のパートで何回も映して 視聴者の脳に植え付けたり といったポイントがあります

 

 そうそう、この演出が使われたのはポケスペでも。

 BW編、ホワイト社長がサブウェイ修行が終わり、ブラックくんと合流した時に「あいさつは…ただいまでいいのかな?」と言ったのに対して

 BW2編では ブラックくんが元の世界に帰ってきて同じように「ただいま…でいいのかな?」と言っていましたよね!!

 割と独特な言い回しなので 即座に気付いた方も多いのではないでしょうか

 

 …なお ポケマスでも この演出はあったのですが セリフのチョイスがオタクすぎて…

 演出というより ただスタッフが要素を入れたかっただけのようにも思えるんですよね

 (HGSSでミナキさんが「ほら みて ごらん! スイクンは まってるぜ!」と言ったのに対して

 ポケマスのエピソード「駆ける北風を追う男」ではクリスが「スイクンは 待ってますよ!」と言った)

 まぁポケマスくんは いつもポケモンのオタクしてますから…

 

 あ! 話し忘れましたが この演出はセリフに限った話ではありません

 ポケスペFRLG編でのレッドVSサカキの構図は サカキが自ら見下ろされる画角を取り、「自分が挑戦者であること」を強調していましたが、

 これは赤・緑編では挑戦者であったレッドに負けて立場が逆転したことの演出と言えるのです

 

  • どんでん返し(敵味方の逆転)
 ポケダンあるある

 正義と悪、敵と味方が逆転する展開というのは心に残ります。

 

 もちろん片方だけ(例:敵だと思ってた登場人物が実はスパイしていた味方だった展開)でも充分に惹きつけ要素となりますね

 

 リコロイだと六英雄のラプラスの展開。
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 元々ラプラスは優しい性格のポケモンである点と歌声で霧で迷った船を助ける点、

 この 元々の印象2つが逆転された演出にはアマルルガみたいな声が出る案件でした…

 

  • ご想像にお任せします演出

 主に勝負のシーンにて どちらが勝ったか曇らせる演出です。

 

 リコロイ第36話「パフュートン仲良し大作戦!」でのパフュートンタッグとリコロイタッグの練習バトルとか 結果を曇らせましたよね。
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 この演出の利点として「人によって感情移入する登場人物が違うであろう中 全員が解釈違いを引き起こさない」点があります。

 例えば上記のパフュートンの話、幼馴染同士のアレやソレが展開されて わたくし 惹きつけられました。

 そんなわけでユノとレンタの2人には好調であってほしいわけです。

 

 しかし相手はリコとロイ、主人公です。

 主人公が こんな通常回で何てコトない相手に負けるなんて画はショッキングというか中々納得できない人もいるのではないでしょうか

 

 そこで どちらが勝ったか視聴者に任せることで どちらの解釈も不正解ではない→

 どちらかに感情移入している視聴者全員を傷つけない という仕組みになるのです

 

 また、視聴者の感情移入云々だけではなく 勝負がどうなるかのリアリティと展開とのバランスを取る役割も担えます。

 

 例えば後輩が先輩に勝つシチュエーション、

 ドラマチックではありますが リアリティを考えると そうポンポンと起こるものではないです。

 そんな中 結果を曇らせると、視聴者にとって都合のよい解釈ができるんですよね

 

 もちろん 曇らせると結果が分からないため 視聴者としてはモヤモヤが生まれる可能性もあるので 頻度は稀でないといけないですが

 

 なお 勝負ではないですが「水の都の護神 ラティアスラティオス」の あのキスシーンもご想像にお任せします演出と言えますね

 

  • トロバ演出

 ポケスペでのトロバやリコが行ったような[視聴者にのみ聞こえる心の声]の描写。

 これは いわばナレーションの役割を登場人物が担っていると言えるわけですね

 

 サトシ時代のアニポケならナレーションが別でつけられていましたが リコロイでは(基本的に)リコがやっている辺り、雰囲気的にナレーションつけられるか否か、

 つけられなさそうなら 登場人物に その役割を担わせる、そんな側面もありそうです

 

 なお ただナレーションをするだけでなく心の声を漏らすパターンも。

 この場合は[声に出すほどじゃない/声に出せるようなシチュエーションではないけど思っていること]を視聴者に伝えることができますね

 

  • ポケマスムーブ(共通項見出しムーブ)

 2者に共通項を見出すことによって 登場した意味を痛感させたり、繋がりを感じさせることができます

 

  • ジャンプ展開

 週間少年ジャンプという漫画雑誌由来のアニメを 周囲が あまりにうるさい時期に (音には音で上書きするために)仕方なくつけていた際に痛感した展開なので こう呼んでいます。

 

 その実態は [引っ張って引っ張って中々次のセクションへ進まない]こと。

 アニポケ新無印編のワールドチャンピオンシップス編とか(いくら26年ぶんの総決算とはいえ)長かったですよね

 あまりに長いと 1つ1つのエピソードを見ただけでは「物語が進んでいる」という実感が沸き辛いのです

 

 こう聞くと悪い印象ですが、視聴者に「この後どうなるか気になる」→「その展開は次回を見ないと分からない」→次回も見てくれやすくなる というメリットもあります

 

  • ジェットコースター演出

 ポジティブな描写とネガティブな描写ってありますよね

 

 その2つが急激に入れ替わる また2回以上スイッチされることをジェットコースター演出と呼んでます。雰囲気の変わりようが激しいのでね

 

  • みらいよち演出

 主に最終回にて 字幕で「3年後…」とかつける演出です。

 最終回なのだから こうやって極端に時間を進めて「将来は こういうことになったよ」ということを表現できるのですよね

 

  • 逆みらいよち演出

 リコロイ第38話「SOSはワッカネズミから?」では

 ①リコが洞窟内に閉じ込められてしまったことを悟る→

 ②RVメンバーが 閉ざされた(元々の)入口を切り開く→

 ③(助けるために)洞窟に入ろうとしたら 別の場所からリコ達が登場した→

 ④ ①と②の間で何が起こったのか回想で説明した

 という展開がありましたよね
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 敢えて①と②の間にあった描写を 時間軸そのままで映さないことで イッカネズミが歯で道を切り開いた事象を強調できるのです

 

 このような 何が起こったのかを未来のシーンで説明する逆みらいよち演出は 第32話「ラプラスの想い、仲間を想い」でも存在していましたね
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  • イエロー演出

 ポケスペ1章でトキワジム戦の際に幼き頃のイエローさんが描写されていた様に

 「後のシリーズの主人公が(ほんのちょっとでも)映って伏線になる演出」のことをイエロー演出と呼んでます

 

 ただ この演出、

  • 前後のシリーズで続かないと使えない
  • 主人公が切り替わらないと使えない

 という縛りがある上に

  • (よっぽど分かりやすくない限りは)視聴者にとって前のシリーズを見返さない限り気付かない、何なら視聴者によっては見返しても気付かない場合がある

 という事象も生まれるんですよね。

 ただ、一見 気付き辛いからこそ気付いた時に感嘆の声があがるというものです

 

  • 最終回演出

 途中から楽曲が流れ、そのままEDに向かいそうな(EDクレジットを兼ねても兼ねなくても)演出のことです

 詳しくは こちらの記事で

 

 こちらも主に最終回もしくは区切りの回で行われるもの。

 1つの話に これまで物語を彩ってきた人たちが全員出番を持つ演出です

 

 ただこれ、長く続けば続くほど(人物が増えるので)全員に出番を与えることは難しくなります。

 そのため、特にメインに絞ったり最終回までの2〜3話かけて消化する、なんて場合も。

 

  • 秘密の手紙演出

 アイカツ!第97話「秘密の手紙と見えない星」により痛感した演出なので こう呼んでます

 

 実態としては ほぼ同じシーンが2〜3回繰り返されるけど 最後の1回は少し違う風景を映すことですね

 リコロイでは第19話「マホイップのホント」で この演出が使われました
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 ルビーミックスのマホイップへと進化したことでマードックのケーキの売れ行きは良くなったけど反対に抹茶ケーキの方は売れなくなった。

 これを表現するにあたって 1度 抹茶ケーキが順調に売れた時のシーンを入れることで

比較ができるのです

 

 アイカツスターズ!第15話「月と太陽」により痛感した演出なので こう呼んでます

 

 実態としては 視聴者も登場人物も予想されていたのに違うシチュエーションがやってくる、

 そしてそれを一瞬の内にやってのけて びっくりさせる演出のことです

 

 リコロイ第22話「激突! ガラルこうざん」ではフリードと リコ・ロイが分かれてしまい、合流できたと思ったらエクスプローラーズだった、という演出がありましたよね、それです
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  • オリーヴァ演出

 リコロイ第12話「わたしが選ぶ未来」※にて痛感した演出なので こう呼んでます
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 ※名前的に直前の11話「オリーヴァの森」っぽいが わたしが選ぶ未来演出だと長いのでオリーヴァ演出としてる

 この演出の概要は 予告の時点での目玉な事柄を早いとこ終わらせて その後の会話などのシーンに多くの時間を割くことです

 

 「わたしが選ぶ未来」では[山火事の被害にあった森を再生すること]が煽られていましたが、蓋を開けてみると その描写はAパートの時点で終わり。

 

 その後はルッカ先生の「あの子(リコ)の未来は あの子が決めるべき」といったセリフやリコの改めての決意表明のセリフ描写があり、タイトル名の回収となりました。

 

 この演出のメリットは 登場人物の、例えば次は どうしたいかといった心情や、成果をあげられた際の心情を丁寧に描写できることにてあります。

 時間が多く取れてるのですからね

 (予告で煽った部分を特に楽しみにしてる人に「意外とすぐ終わっちゃった」という感情を植え付けてしまうデメリットもありますが)

 

 また 時間を多く取るにおいて 起承転結の起承の部分は省略しておきたいので、

 オリーヴァ演出は 基本 前回からの続きの回だったり最終回や節目の回で使われることでしょう

 

 そして、このオリーヴァ演出によって(区切りが早くなるため)例えばサトシ世代の「ファイナルⅣ 相棒」のように CMへ行くタイミングが早くなることも

 

  • 走馬灯演出

 走馬灯とは、人が死ぬ直前に見るといわれる これまでの自分の生き様の羅列のことです

 

 これに例えて これまでの回想がバッと並んで 視聴者の心情を刺激する演出のことを走馬灯演出と呼んでいます

 

 最後の決着で登場人物が心を奮い立たせるために これまでに培ったことを思い出す、

 そのため最終回辺りで使われることが多いと感じますね

 

 これは演出というより ちょっと違うベクトルなのですが、

 例えば オープニングアクトと題して 参加者以上のパフォーマンスがゲストによって披露される流れ、ありますよね

 

 あれはギャラリーのテンションを盛り上げる役割があると感じてます。

 であいがしらの印象って大事ですからね。3番手や4番手とかより初手の方が印象に残りませんか?

 

 というわけで この策を、初手から高HPになりつつ ダイナックル/ダイアシッド/ダイジェットなどでバフをかけながらのの攻撃で優位を保つことに掛けて初手ダイマ演出と呼んでます

 

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 といったところで今回の記事は ここまで

 

 お付き合いいただき ありがとうございました